ドキュメント ツール

選択範囲ツール

ピクセルの選択範囲を、長方形、楕円、多角形、なげなわで描き、そのあと組み合わせ、広げ、ぼかし、反転します。

選択範囲ツール(M)はピクセルの選択範囲を作ります。塗り、消去、塗りつぶしが届く先を制限するマスクです。選択範囲はレイヤーではなくプロジェクトのものなので、レイヤーを切り替えてもそのまま残り、外すまで消えません。

生きている選択範囲は、動く点線として描かれます。すでにある選択範囲に対してできることは、すべてオプションバーの右側にあり、選択範囲ができるまではグレーになっています。

M 選択範囲ツール
Shiftドラッグ モードのドロップダウンが何であれ、選択範囲に足す
Altドラッグ 選択範囲から引く
ShiftAltドラッグ 選択範囲と重なるところだけを残す
Enter 多角形の選択範囲を閉じる
Esc 作りかけの多角形を捨てる。選択範囲の変形を取り消す。どちらも動いていなければ選択範囲を外す
CtrlShiftI 選択範囲を反転する
CtrlD 選択解除。浮いた選択があれば先に確定し、そのあとマスクを空にする
Delete 選択範囲の中のピクセルを消す

四つの形

どう描くか
矩形枠をドラッグします。初期値です。
楕円枠をドラッグします。楕円はその中に内接します。
多角形角を一つずつクリックします。ダブルクリックか Enter で閉じ、Esc でキャンセルします。点が三つ未満なら捨てられます。
自由なげなわをドラッグします。離すとパスが自分で閉じます。

長方形と楕円では、ドキュメント単位で 1 に満たない枠を引くと選択範囲が外れます。ただし置き換えモードのときだけなので、足している最中のうっかりクリックで選択範囲が消えることはありません。

選択範囲ツールのオプションバー。左に形のピルとモードのドロップダウン、そのあとに拡張、縮小、ぼかし、反転、選択解除が並んでいる。

選択範囲を組み合わせる

モードのドロップダウンが、新しい選択枠がすでにある選択範囲に何をするかを決めます。

  • 置換。新しい枠がそのまま選択範囲になります。初期値です。
  • 追加。新しい領域が足されます。
  • 減算。新しい領域が取り除かれます。
  • 交差。重なったところだけが残ります。

置換以外のモードでは、ドロップダウンの下にアクセントの線が引かれます。メニューの中の一語は読み飛ばしやすく、減算や交差が掛かったままだとツールが壊れているように見えます。どちらも空の選択範囲を残すので、ドラッグしても何も起きていないように見えるからです。

修飾キーは、Photoshop と同じように一回のドラッグだけドロップダウンを上書きします。Shift で足し、Alt で引き、Shift+Alt で交差です。ふつうのドラッグが何をするかは、それでもドロップダウンが決めます。ドラッグの途中で押した修飾キーも拾われるので、枠を引き始めてからどうするか決められます。

モードのドロップダウンは自動選択ツールと共通で、これも Photoshop の共有のしかたと同じです。組み合わせのモードは一つのツールではなく選択範囲のものなので、ここで追加にしておけば自動選択に持ち替えても効き続け、二つのツールで一枚のマスクを一緒に組み上げられます。

キャンバス上の Alt は、ふだんはスポイトのショートカットです。選択範囲ツール(と自動選択ツール)が有効な間は違います。これらのツールが Alt を持っているので、色を拾うのではなく選択範囲に届きます。

選択範囲の形を変える

ボタン欄の初期値何をするか
拡張2 px隣の欄のピクセル数だけ選択範囲を外へ広げます(1 から 64)。
縮小2 px同じだけ内へ縮めます。
ぼかし4 px指定した幅(1 から 64)で縁をやわらげます。ストロークが境目で断ち切られず、少しずつ薄れていきます。
反転なし選ばれているところと選ばれていないところを入れ替えます。
解除なし選択範囲を外します。

拡張と縮小は共有する数値の両側に、片方ずつ並びます。そうすればその数値は二つのものにしかなりえません。ぼかしは方向がひとつなので、数値はボタンのあとに続きます。三つとも数値の大きさで重くなりません。64 ピクセルの拡張は 1 ピクセルと同じだけ即座に返ってきます。

選択範囲が何を縛るか

選択範囲が生きている間は、どの種類のレイヤーでも、すべての塗り操作にマスクが掛かります。ブラシや消しゴムのストロークはそこに切り取られます。ラスターレイヤーやピクセルレイヤーでも、ベクターのブロブブラシでも同じです。だから境界をまたいで気楽に描いても、変わるのは選択した範囲だけです。レイヤーに直接塗るツールも同じです。消しゴム、ぼかし、変形、そして質感やブレンドモードを持つブラシもそうです。塗りつぶしツールの流し込みも、ベクターレイヤーでもラスターレイヤーでも同じように切り取られ、Delete は中のピクセルを消します。

切り取りは最後に掛けられるのではなく、生きています。描いている最中に動く点線で塗りが止まり、はみ出してからペンを離した瞬間に戻る、ということはありません。ベクターのブロブブラシでは、キャンバス上のプレビューが選択範囲のバウンディングボックスに切り取られます。長方形の選択枠なら正確、楕円やなげなわや自動選択の領域なら少し広めですが、確定した形はどの場合でもきっちり切られます。

消すことにもマスクが掛かります。選択範囲は足す操作だけでなく、すべての塗り操作を制限します。Photoshop も同じ決まりです。

ぼかした縁は、ラスターのストロークをピクセル単位でやわらげます。選択範囲がベクターの輪郭にならなければならないとき、つまりブロブブラシが切り取られるときは、やわらかい縁もどこかで硬くなるしかありません。その切り口は 不透明度 50% のところに引かれます。

移動ツールか変形ツールを持っているとき、変形する相手は下のレイヤーではなく選択範囲そのものです。主役は行進する点線で、ピクセルはそれに付いてきます。四隅のハンドルで拡大縮小、上辺の上のつまみで回転、内側のドラッグで移動です。Shift を押さえれば等比の拡大縮小と 15 度刻みの回転になります。Alt を押さえたまま選択範囲の内側をドラッグすると、元をその場に残して複製を動かせます。外をクリックすれば確定します。Esc は変形だけを取り消し、選択範囲は捨てずにあった場所へ残します。矢印キーが動かすのはレイヤー全体ではなく、選択したピクセルです。

持ち上げた選択範囲は、以前は失われていたことを越えて生き残ります。レイヤーの切り替えも、フレームの移動も、保存もです。
ピクセル系のツールを持っているとき、あるいはラスターレイヤーを選んでいるときの Ctrl+A は、キャンバス全体を選びます。全部から始めて引いていくときの早道です。
塗ったレイヤーの上のぼかした楕円選択。動く点線と、その縁で止まっているブラシストロークが見えている。

選択範囲を取り消す

マスクへの変更は、どれもそれ自体がヒストリーの一段です。選択枠を描くこと、足すこと、外すこと、そして拡張、縮小、ぼかし、反転のそれぞれです。Ctrl+Z を押せば、ぼかした縁も含めて前のマスクがそのまま戻ってきます。ヒストリーでは「ピクセルを選択」「選択範囲を変更」「ピクセル選択を解除」と名前が付くので、レイヤーの選択と見分けが付きます。

実際の注意点

  • 選択枠にレイヤーは要りませんし、レイヤーを作りもしません。空のプロジェクトでも選択範囲は描けます。まだ縛る相手がいないだけです。
  • マスクはキャンバスの外にある塗りにも掛かるので、キャンバスより大きなピクセルレイヤーの上の選択範囲も、絵の端まで効きます。
  • 選択枠はグリッドにも頂点にもスナップしません。